スーツケースはキャスターがポイント! 使い勝手を左右するパーツの種類と選び方
従来のスーツケースはキャスターがついていないものもありましたが、近年はキャスターつきモデルが主流となっています。スーツケースを動かす役割を担うキャスターは、商品の使い勝手の良さを左右する重要なパーツです。同時に、複数の要因から壊れやすいパーツでもあります。
スーツケースを快適に使うには、キャスターの種類に注目することが大切です。
ここでは、スーツケースに使われている主なキャスターの種類や、長持ちさせるための使い方のコツなどをご紹介します。
スーツケースのキャスターの種類
スーツケースのキャスターは、形状から2輪キャスターや4輪キャスター、ダブルキャスターなどの種類に分けることができます。
スーツケースに使われている代表的なキャスターの種類と特徴をご紹介するので、商品選びの参考にしてみてください。
2輪キャスター
2輪キャスターは、キャスターが固定されており、1方向にのみ動かせるタイプです。移動する際はスーツケースを斜めに傾けて、引っ張りながら動かします。
キャスターがスーツケース本体に埋め込まれるような設計になっているので、突出部が少なく、ものに当たって破損するリスクを減らせるのがメリットです。
安定性に優れており、凹凸が多い未舗装の道や石畳の街中でも、比較的移動しやすいという特徴もあります。真っすぐに立てるとスーツケース本体が地面に接して自立するので、手を放した際に勝手に動いてしまう心配もありません。
ただし、タイヤの向きが固定されているという設計上、小回りが利きにくい点はデメリットといえるでしょう。方向転換するには弧を描くように動かすか、持ち上げて向きを変える必要があるため、狭い場所だと取り回しを面倒に感じることも考えられます。
4輪キャスター(単輪)
スーツケースの底面の4カ所にキャスターが取りつけられているタイプです。2輪キャスターモデルとは異なり、スーツケースを傾けることなく、立てたまま押したり、引いたりして移動できます。
各キャスターは360度自由に動く設計になっているモデルが一般的で、2輪キャスターよりも小回りが利きやすく、人通りが多い場所でも移動しやすいのがメリットです。
小回りが利きやすい反面、キャスター部分がスーツケース本体から出っ張っているので、接触などが原因で破損するリスクがあります。
また、キャスターが自由に動くことから、傾斜面や電車内などで動き出す恐れがある点にも注意が必要です。手でしっかりと押さえるなど、勝手に動かないように対策しておきましょう。
不意に動き出すのを防ぎたい方は、キャスターをロックする機能を搭載したスーツケースを選ぶことをおすすめします。
エースでも、スーツケースが勝手に動き出すのを防ぐ「キャスターストッパー」つきのモデルを取り扱っています。手元のスイッチで操作できるため、簡単にキャスターを静止させることが可能です。
ダブルキャスター(双輪)
1カ所のキャスターに、タイヤが2個ついているタイプがダブルキャスターです。4輪キャスタータイプであれば、合計8個のタイヤで地面をとらえることになります。
タイヤが多く幅が広い分、移動時の安定性に優れており、小回りが利きやすいのが特徴です。
一方で、単輪タイプのスーツケースよりも本体の重さは少し増す傾向にあります。
また、キャスターの種類に加えて、キャスターのサイズが操作性や耐久性などに影響を与えることもあります。移動時の音が気になる方は、静音性に優れたキャスターを搭載しているかどうかも確認しておくと安心です。
キャスターを長持ちさせる使い方のコツ
スーツケースが使えなくなる主な原因のひとつに、キャスターのトラブルが挙げられます。これは、キャスターが本体から出っ張った構造になっているうえに、移動中は路面と接して回転し続けるなど、衝撃を受けやすいパーツであることが理由です。
スーツケースを長く愛用するには、キャスターを長持ちさせる使い方を心がける必要があります。
具体的には、以下の2点に気を配りましょう。
キャスターを地面につけた状態で引っ張る
2輪タイプのスーツケースは傾けて引っ張りますが、4輪タイプのスーツケースは立てたまま、全てのキャスターが地面に接した状態で動かすことがポイントです。
4輪タイプのスーツケースは、押して歩く使い方を想定して作られています。傾けて動かすと片側の2輪にスーツケースの重みが集中してしまい、キャスターに余計な負荷をかける原因になるので注意が必要です。
場合によっては、スーツケース本体が地面にこすれて傷がついてしまうこともあり得ます。段差が多い道を歩く時など、一時的に傾ける分には問題ありませんが、基本的にはキャスターを全てつけた状態で押すことを心がけましょう。
また、ストッパー機能つきのスーツケースは、必ずストッパーを解除してから動かしてください。ストッパーがかかったまま無理やり動かすと、キャスターに大きな負担がかかるだけでなく、ストッパー機能が故障する恐れがあります。
使用後にメンテナンスを行う
キャスターは地面に接するパーツなので、使い続けるうちに汚れが付着したり、ごみが詰まったりするものです。そのまま使い続けるとキャスターに負担がかかり、動かしにくくなったり、故障したりする原因になります。
衛生面の観点からも、使い終わったら室内に入れる前にごみを取り除く、タオルで表面を拭くなどのお手入れを行いましょう。
メンテナンス後、スーツケースを保管する際は、直射日光が当たらない風通しの良い場所にしまっておくのがおすすめです。キャスターが加水分解する原因になるので、ビニール袋や段ボールなどに入れて保管するのは控えてください。
とはいえ、お手入れや保管を丁寧に行っていたとしても、使い続けるうちにスーツケースに何らかの不具合が起こることは避けられません。
キャスターがひび割れている、部品の一部が欠けているといったトラブルが見られる時は、メーカーのアフターサービスで修理を依頼したり、買い替えを検討したりすると良いでしょう。
エースでは、製品の修理(保証を含む)・鍵やパーツの取り寄せといったアフターサービスを実施しています。スーツケースに何らかのトラブルがある際は、カスタマーセンターにお問い合わせください。
修理・アフターサービスの詳細については、以下のページからご確認いただけます。
使い方に合ったスーツケースを選ぶことが大事
キャスターは、スーツケースの動かしやすさや使いやすさを大きく左右する重要なパーツのひとつです。
2輪タイプや4輪タイプ、ダブルキャスタータイプといった複数の種類に分けられ、それぞれ特徴が異なるため、自身の使い方に適したモデルを選ぶことをおすすめします。
また、使い方によっては劣化を早めてしまう可能性があります。故障を防ぐためには、正しい使い方を心がけたうえで、使用後はメンテナンスを行うことが大切です。
容量やデザインなどに目が向きがちですが、スーツケースを購入する際はキャスターも注目してみてはいかがでしょうか。