スーツケースとキャリーケースに違いはある? 買う時に確認したい4つのポイント
着替えや日用品、お土産など、たくさんの荷物をしまうことができ、持ち運びやすさにも優れるスーツケースは、旅行や出張といった長距離移動の際に欠かせないアイテムのひとつです。
キャリーケースやキャリーバッグと呼ばれることもありますが、スーツケースとは何が、どのように違うのでしょうか。
ここでは、スーツケースとキャリーケース(キャリーバッグ)の違いや、購入時に確認したいポイントをご紹介します。
スーツケースとキャリーケースの違いは何?
スーツケースは、本来は出張などの際にスーツをきれいにしまうことができるケースを指して使われていた言葉です。もともとのスーツケースにはキャスター(タイヤ)がついておらず、トランクケースのような形状をしていました。
一方で、キャリーケースまたはキャリーバッグは、キャスターのついたカバンの総称です。当初はそれぞれをキャスターの有無で区別することができましたが、現在はスーツケースもキャスターつきのモデルが一般化しています。
そのため両者に明確な違いはありません。一般的には、スーツケース・キャリーケース・キャリーバッグは、ほぼ同じ意味で使われています。
海外だと言葉の意味が変わる?
キャリーケースは、英語の「Carry(運ぶ)」と「Case(容器)」を合わせて作られた和製英語です。海外でキャリーバッグといっても基本的には通じないものと考えましょう。
英語圏では、キャスターのついたカバンのことは「トロリーバッグ(Trolley Bag)」や「ローラーバッグ((Roller Bag)」などと呼びます。
キャリーバッグと発音が似ている「キャリアーバッグ(Carrier Bag)」という英語はありますが、これは買い物袋などを意味する言葉です。海外旅行に行く時は間違えないように注意してください。
スーツケースに関しては、海外でも問題なく通じる言葉です。
ただし、スーツケースというと、キャスターがついていないトランクケースのようなバッグをイメージされる可能性があります。
スーツケース・キャリーケース選びのコツ
スーツケースやキャリーケース(キャリーバッグ)は、たくさんの荷物を収納できて便利な反面、選び方によっては使いにくさを覚えることも考えられます。
旅のお供として快適に使いこなすには、自身の荷物や旅行先などを踏まえてモデルを選ぶことが大切です。
購入する際に確認しておきたいポイントを、4つご紹介します。
本体のサイズ・容量
本体のサイズは、収納できる荷物の量に直結する重要な要素のひとつです。どんな荷物を、どれくらいしまいたいかを踏まえて、本体のサイズや容量を決めましょう。
サイズや容量を決める時は、旅行や出張で何泊するのかを基準に考えるのがおすすめです。基本的には、1泊で必要なスーツケースの容量は10Lが目安とされています。
ただし、たくさんの荷物を詰め込むと、その分スーツケースは重くなります。荷物をしまった状態で、無理なく持ち上げられるサイズかどうかの確認もしておくと、階段や段差が多い道を歩く時も安心です。
飛行機に搭乗する場合は、機内に持ち込めるサイズかどうかの確認も欠かせません。一般的には、座席数が100席未満の飛行機なら3辺の合計が100cm以内、100席以上なら115cm以上かつ10kg以内のスーツケースは、機内に持ち込むことができます。
持ち込み可能な荷物の規定は航空会社や国際線・国内線などによって異なるため、詳細は事前に使用する航空会社のホームページなどをご確認ください。
また、東京~九州間を結ぶ東海道・山陽・九州新幹線においても、3辺の大きさが160cm超250cm以内のスーツケースの持ち込みに関しては、特定の座席を指定する必要があります。
新幹線に持ち込める荷物の詳細については、以下の記事も併せてご確認ください。
新幹線にスーツケースを持ち込む時は注意! 大きな荷物の持ち込みルール
ケース本体の素材
スーツケース本体の素材もポイントです。スーツケースは本体の素材から、アルミやプラスチックでできたハードケースと、ナイロンなどでできたソフトケースに分けることができます。
ハードケースは硬い素材が使われているので、頑丈なのが特徴です。水ぬれにも強く、天候に左右されることなく使えます。
しっかりと荷物を保護したい方は、ハードケースを選ぶのがおすすめです。
一方で、ソフトケースはハードケースよりも軽量で、持ち運びしやすさに優れているのが魅力です。表面にポケットがついているので、出し入れする頻度が高い小物がある時にも役立ちます。
ハードケースに比べると衝撃が荷物に伝わりやすいので、壊れやすいものを運ぶ時は注意してください。近場への移動や、荷物のほとんどが服の場合などは、ソフトケースが適しています。
キャスターのタイプ
スーツケースを持ち運ぶ際に、実際に地面と接して動くことになるのはキャスターです。快適に持ち運ぶには、キャスターのタイプも確認する必要があります。
スーツケースのキャスターは、タイヤが2つの2輪タイプと、4つの4輪タイプに分けられます。
2輪タイプは、スーツケースを傾けて運ぶタイプです。小回りは利きにくいものの、凹凸のある道でも比較的安心して使えます。タイヤが本体に埋め込まれるように固定されているので、キャスターに負荷がかかりにくい点もメリットです。
一方で、4輪タイプはキャスターを押すようにして運びます。転がしやすく、2輪タイプよりも小回りを利かせやすいのが魅力です。
電車内や坂道などで勝手に転がるのを防ぎたい方は、キャスターストッパー機能がついているものを選びましょう。
また、キャスターはスーツケースの中でも特に負荷がかかりやすいパーツです。できるだけ耐久性に優れている商品を選ぶと、安心して使うことができます。
スーツケースはキャスターがポイント! 使い勝手を左右するパーツの種類と選び方
セキュリティ対策
スーツケースの中には、自分の大切な荷物をしまうことになります。盗難被害を防ぐために、セキュリティ面の確認も欠かせません。
特に、アメリカに行ったり、アメリカの空港を経由したりする時は注意が必要です。
原則として、アメリカ圏への渡航時には荷物を施錠することができません。アメリカやカナダの空港では、検査官がスーツケースを開けて荷物の検査を行うため、施錠していると鍵を破壊されてしまう恐れがあります。
旅行や出張でアメリカ圏に行く時は、「TSAロック」に対応したスーツケースを用意しておくのがおすすめです。TSAロックは、空港の検査官が特殊な合鍵を使って開けられるため、施錠した状態で預けても無理やり鍵を壊されることはありません。
スーツケースやキャリーケースは旅に適したものを選ぼう
スーツケースとキャリーケースまたはキャリーバッグは、従来はキャスターの有無という違いがあったものの、現在はほとんど同じ意味の言葉として使われています。
日本では旅行で使用するカバンを指す言葉として定着している「キャリーケース」ですが、和製英語なので海外では通じません。海外旅行の際は間違えないように覚えておきましょう。
また、スーツケースやキャリーケースはモデルごとに特徴が異なります。快適に旅を楽しむために、購入する際は用途に適したものを選ぶことが大切です。